さくらに寄せて ー さくらと緑のプロジェクト -
年輪を数えること86本、幹幅70㎝の立派な「染井吉野」が、2丁目紅葉ヶ丘の道端にありました。 花芽はしっかりつけていましたが、根元の腐朽が進み、樹頭の落枝や傾きがある幹は自重に耐えられない懸念があって伐採されました。
幸せの記憶、未来への夢、命ながらえた喜びを寄せる人が、この桜にもあったかもしれません。 せっかくのサクラが廃棄物ではもったいないと、幼稚園や児童館で木工材として使ってもらうことになり少し嬉しいことです。 桜の町のサクラをどうしたいのか、向かいの丘に桜が点在する風景をこれからも造れるようにと思います。
「さくらの散歩道」の再生 -環境部-
「さくらの散歩道」は日本花の会主催の第11回全国さくらシンポジューム・イン町田(1992年)で使われた玉川学地域のロゴです。桜の個体を調べ坂道と快適な暮らしを市民の手でつくることが当時の玉川学園町内会のテーマでした。満開の花、緑陰、紅葉、木漏れ日と季節の移ろいが、身近な普通の生活の中にあることで豊かで暮らしやすい街並みをつくることと考えます。
玉川学園の桜は小原國芳が学校の創設時に苗を地域に配ったのが始まりです(1930年) 6割ほどは染井吉野ですが里桜などいろいろな桜も楽しむことができます。シンポジュームの以前からも市の協力で「桜マップ」をつくったり、近隣の皆さんの落葉掃きや剪定で桜は大切にされてきました。
しかし近年桜の巨木化、枯死や敷地が細分化された宅地開発で、当時の地図と比べると桜の数は半減している。
かつてを知る私達は、伐採を残念に思うことはあっても、30年後を見据えて再生をするにはどうすべきかには、なかなか思い至りません。でもちょっとした応援と理解と行動があれば可能と考えます。例えば、小型でも多少連続した桜の風景を実現する場所を探すこと。指定樹木など街を魅力的にする資産とすること、落葉を腐葉土に変える資源とすること(葉っぱバンク事業)、葉っぱを集めて焼き芋会や花を巡って焼き団子などイベントをして桜に親しみをもってもらうことなどです。
まだ調査と青写真の段階ですが、「さくらの散歩道」の再生に尽力したいと考えています。このプロジェクトはNPO法人玉川学園地区まちづくりの会さくらと緑のプロジェクトと協同で進めています。
玉川学園地区さくらの散歩道 再生計画(2023年版)